定義
バージインとは、エージェントがまだ話している間に発信者が話し始めることです。この用語は、発信者を待たせずにその音声を受け付け、エージェントのプロンプトを止める機能も指します。
バージインの仕組み
この用語は、電話のメニューシステムに由来します。そうしたシステム向けのW3C標準であるVoiceXML 2.0は、各プロンプトにbargein属性を持たせています。これが真なら、ユーザーはプロンプトを遮れます。偽なら、プロンプトが終わるまで待たなければなりません。
同じ標準は、割り込みをどう検出するかをbargeintypeで定めています。speechの場合は、何を話したかに関係なく、音声またはキーパッドのトーンを検出した時点でプロンプトが止まります。hotwordの場合は、入力がシステムが待っている文法に一致するまでプロンプトが流れ続け、それ以外は無視されます。hotwordがあるのは、雑音、咳、周囲の会話によってプロンプトが途切れるのを防ぐためです。
現代の音声エージェントも同じ判断をしますが、文法の代わりにストリーミング認識とLLMを使います。話しながら聞く必要があり、そのためには発信者の声と、回線を通って戻ってくる自分自身の音声を分離しなければなりません。そのうえで、その音が本当の割り込みか、「ええ」のように無視してよいものかを判断します。後者の場合がバックチャネルです。
バージインの検出は前半にすぎません。それに対応するのが割り込み処理です。エージェントは発話を止め、発信者が実際にどこまで聞いたかを把握し、発信者の言葉に応答します。
音声エージェントにとって重要な理由
発信者は絶えず割り込みます。日付を訂正したり、復唱が終わる前に「はい、その通りです」と言ったり、メニューの途中で担当者を呼び出したりします。割り込めないエージェントは、文全体を聞かせることになり、機械的に聞こえます。
実際には2つの問題が起こります。敏感すぎるエージェントは、ドアの音や背景のテレビで止まり、言葉の途中で途切れます。反応が遅すぎるエージェントは、発信者が話し始めたあとも1秒ほど話し続け、両者の声が重なります。
割り込めないほうがよい内容もあります。必須の告知や支払い金額の復唱は、バージインをオフにして再生し、発信者が全体を聞いてから質問を受け付けることがよくあります。
バージインは発信者の行動です。システムがそれにどう応じるかには別の名前があり、両者は別々にテストすべきです。
例
通話の例です。
- エージェント:「ご予約は10月8日木曜日の2時30分、担当は…」
- 発信者:「やっぱり金曜日にしてください。」(「担当」のところで話し始める)
発信者の発話がバージインです。エージェントが一瞬で止まり、古い日付を捨てて「金曜日」に対応できるかどうかは、割り込み処理の問題です。