Raise Financial Services(以下Raise)は、インドで最も急成長しているトレーディング特化型プラットフォームの一つであるDhan、投資プラットフォームMillions、AIを活用した金融市場リサーチアシスタントfuzzなどを手がけるインドの企業で、Cartesiaとともに多言語の音声体験を開発しています。Raiseはインドの金融市場に特化したAIの構築に多額の投資を続けてきました。Cartesiaは、その金融インテリジェンスを自然な多言語の会話へと広げるための音声モデルを提供します。
このパートナーシップは、両社に共通する目標を後押しするものです。それは、人々が普段使っている言語での会話を通じて、金融情報をより身近にすることです。
Cartesiaは、私たちが自社で構築してきたリアルタイム音声インフラとよく連携する、最高水準の音声モデルを提供してくれます。今後はこのパートナーシップを、Dhan & Millions、トレーダーと投資家のための教育プラットフォームUpsurge、保険販売プラットフォームのPluto、その他のグループ企業を含むエコシステム全体へ広げていくことを楽しみにしています。

金融インテリジェンスを築き、音声には専門性を選ぶ
RaiseのAIへの取り組みは、インドの金融市場が求める要件から始まりました。同社のチームは、インドの金融・資本市場のデータのみで学習した70億パラメータの小規模言語モデルarthamを開発しました。インド国内で構築・ホスティングされているarthamは、インド国内市場の構造、用語、規制の文脈に合わせて設計されています。arthamは、AWS(Amazon Web Services)が米国ラスベガスで開催したグローバル開発者イベントre:Invent 2025で認められました。
Arthamは1年以上にわたり金融コパイロットプラットフォームのfuzz、株式スクリーニングプラットフォームのScanX、Dhanの中で稼働しており、市場ニュースの要約、値動きの背景の読み解き、公式の情報源から直接取得したリアルタイムデータによるユーザーの質問への回答を担っています。
音声はこのスタックに新たに加わった要素であり、そこでCartesiaが役割を果たします。現在、Cartesiaのモデルは、対話型のKYCを含むDhanの音声ボットのやり取りの一部を支えています。一方で、サービス対応、複雑な問い合わせ、顧客との関係づくりは、引き続き人間のチームが主導しています。
多言語への需要の大きさはすでに明らかです。これらのやり取りの75%超は英語以外の言語で行われており、ヒンディー語だけで半数以上を占めます。
アクセスの広がりは言語にとどまりません。Raiseの音声ボットへの通話の3分の1以上は営業時間外に、オペレーターをまったく介さずに処理されており、夕方や夜間に連絡してくるユーザーにもサービスが届いています。こうした初期の数字は、Raiseのエコシステム全体で音声がどこへ向かうのかを示しています。
金融情報を音声で伝えるには、それ特有の技術的要件があります。書き言葉として正確な回答は、声に出して読み上げても意味を保たなければなりません。数値表現には曖昧さのない読み方が必要で、金融用語は周囲の言語に自然になじむ必要があります。さらに、会話を途切れさせないよう、音声生成を素早く開始しなければなりません。
Raiseは、この取り組みのうち音声の部分に対応するため、Cartesiaのモデルを使って開発を進めています。この関係により、独自の金融AIと本番環境のアーキテクチャを築いてきたチームが、多言語の会話のために設計された専門の音声モデルを利用できるようになります。
インドの金融の要求に応える多言語音声インフラ
Cartesiaの音声合成モデルSonicは、開発者にさまざまな声と地域のアクセントの選択肢を提供し、話す速さや感情表現を調整できます。ヒンディー語、タミル語、テルグ語、マラーティー語を含む11のインド系言語に対応し、1回の生成の中で言語を切り替えるコードスイッチングにも対応しています。この柔軟性により、チームは会話が言語をまたいでも一貫した声を保ちながら、文脈に応じて話し方を調整できます。
金融コンテンツでは、表現力に正確さが伴わなければなりません。書き起こしの忠実性とロケールに応じた発音に関するCartesiaの取り組みは、英数字の識別子、日付、金額の扱いに対応するものです。こうした機能は、インドの言語の文中に英語の金融用語が現れる場合に特に重要です。そのような場面では、情報をわかりにくくすることなく、発音とリズムを自然に保つ必要があります。
Cartesiaのモデルは、安全で大量のリアルタイム処理に対応するよう設計されており、インドでのデプロイにも対応しています。RaiseはCartesiaとともに、金融アプリケーションに求められるデータ処理とガバナンスの基準を満たすよう構築された自社のインフラ内で、これらのモデルを運用しています。
設計面での協働に支えられた関係
RaiseはCartesiaのモデルを利用するだけでなく、早期のデザインパートナーとして、私たちの多言語モデルの開発にも貢献してきました。
この協働は、音声研究に金融分野の視点をもたらします。自然さを幅広く測る指標だけでは、コードスイッチングを含む金融の文で、モデルが数値の詳細を保持できているかどうかは判断できません。分野の専門知識は、より詳しく評価すべきケースを見つけ出す助けになります。
Cartesiaにとって、Raiseとの協働は、インドのユーザー向けに金融商品を開発するパートナーの要件とモデル開発を結びつけるものです。パートナーシップの拡大に合わせて、Raiseの音声開発を支援し、技術面での協働を続けていくことを楽しみにしています。
