EliseAIについて
米国のアパートのおよそ6戸に1戸がEliseAIを利用しています。内見の予約、食洗機の故障の連絡、契約更新の問い合わせで電話をかけたことがあれば、EliseAIの音声エージェントが応対していた可能性は十分にあります。
EliseAIはこれまでに、住宅と医療の分野で10億件を超えるAI会話を処理してきました。住宅分野では、最初の問い合わせからメンテナンス、契約更新、入居者サポートまで、入居者の体験全体を担います。医療分野では、患者の予約と受付業務に対応します。
重要な通話をこれだけの規模で扱うと、電話口の声が、相手が必要な対応を受けられるか、途中であきらめてしまうかを左右することが少なくありません。
課題
アパートに申し込む人にも、予約を変更する人にも、EliseAIのエージェントは相手に合った声で話す必要があります。そのためには、いくつかの問題を同時に解決しなければなりませんでした。
- 大規模での一貫性:デモでは素晴らしく聞こえる声も、数千件の実際の通話では崩れ、肝心な場面でトーンがずれることがあります。
- 適切な声の選定:大半のベンダーは試すためのカタログを渡すだけで、長期的な協力関係はありません。
- すべての発信者に届くこと:単一言語の汎用的な声では、英語をまったく話さない人に対応できません。
ソリューション
EliseAIは音声エージェントをCartesiaのSonicモデルで動かしており、どの声をどのように導入するかについて、両社のチームが緊密に連携しています。
AkshayがEliseAIに加わった当時、声の選定はCartesiaとの緊密なパートナーシップのもとで進められ、実際の通話でどの声や地域のアクセントが通用するかについて、常にフィードバックを送っていました。EliseAIはイリノイ州では中西部の声を、テキサス州では南部の声を試し、Cartesiaは地域ごとの声の調整を支援しました。
多言語の声によって、EliseAIは発信者の言語をネイティブに話せるエージェントを展開できるようになりました。これは特に、アフォーダブル住宅で重要です。
当社は月に500万件以上の音声通話で、受給資格の確認、収入の証明、資格の再認定の手続きを支援しています。多言語に対応したことで、これを相手自身の言語で、営業時間外でも、必要なときに行えるようになりました。話す言語によって、住まいを得にくくなることがあってはならないからです。
EliseAIでは、勘だけで何かを導入することはありません。新しい声やモデルは、すべてEliseAIの4つの関門を通過します。
- 公開ベンチマークによる初期チェック
- 評価者が各通話を自然さと会話の流れで採点する、ブラインドA/Bテスト
- 本番環境の1%への展開と、内見の予約、患者の予約、エンゲージメントなどの指標による測定
- 本格展開の前に、抽出した本番通話を人の手で監査
Cartesiaと仕事をするのが好きなのは、こちらのニーズに本当に耳を傾け、それに合わせて改善を重ねてくれるからです。音声の未来はパーソナライズにあります。トーンから感情、スピードまで、心地よい音声体験を通じてお客様が信頼を築けるよう、できることはまだたくさんあります。
成果
地域に合わせた声のテストで、EliseAIが追跡していたすべての北極星指標が改善しました。
- 内見のコンバージョンが5%向上しました。
- 発信者のエンゲージメントが8%向上しました。
- 発信者が話す単語数が16%増加し、エージェントが使える情報が増えて、1回目の通話で問題を解決できる可能性が高まりました。
Sonic-3.6は、自然さをさらに高めました。初期テストでは、入居希望者が音声の自然さについて、これまでのどのモデルよりも12.5%高く評価しました。
今後の展望
EliseAIは、背景でテレビが大音量で鳴っている通話や、2人が同時に話している通話など、最も難しい通話の課題に着実に取り組み続けています。チームはCartesiaとともに、こうしたエッジケースを、投資してきちんと解決する価値のある問題と捉えています。
音声はAGIのインターフェースです。世界の大半はまだAIを取り入れておらず、本当のボトルネックは能力ではなく普及です。音声こそが、AIを多くの人に届ける手段になります。
