定義
発信者番号通知とは、着信側の電話に表示されるよう、通話とともにネットワークが送る発信元の番号と、場合によっては名前のことです。発信側の通信事業者が付与するため、誤りや偽装が起こり得ます。
発信者番号通知の仕組み
発信元の番号は、通話のシグナリングの中を伝わります。SIPでは From や P-Asserted-Identity などのヘッダーに入り、相手側の通信事業者が着信側の電話に渡します。名前は別です。米国では通常、通話と一緒には運ばれません。着信側の通信事業者が番号をデータベースで照会して名前を作り、これをCNAMと呼びます。そのため、表示される名前は通信事業者によって異なったり、出なかったりします。
基本のプロトコルには、その番号が発信者のものだと証明する仕組みがありません。電話システムはヘッダーに任意の番号を入れられ、正当な理由で入れる場合も多くあります。たとえば、複数の回線からの発信で代表番号を表示するケースです。そこで通信事業者が通話への署名を加えました。これはSTIR/SHAKENで扱います。
法律が重視するのは意図です。FCCによると、Truth in Caller ID Actは、詐欺、損害の発生、または不当な利益の取得を意図して、誤解を招く、または不正確な発信者情報を送ることを禁じています。テレマーケティング販売規則(Telemarketing Sales Rule)は別に、テレマーケターが自社の電話番号と、通信事業者が提供できる場合は名前を送らないことを違反としています。ただし、名前を販売者の名称に置き換え、営業時間中に応答するカスタマーサービスの番号を使うことは認めています。
音声エージェントにとって重要な理由
発信を行うエージェントでは、表示される番号が、相手が出るかどうかを左右します。受信者や分析アプリがスパムと判定した番号からの発信は、応答されないことが多くなります。自社が保有する、または使用を認められた番号を使い、それぞれに明確な業務上の目的を持たせ、折り返しの電話にも応答してください。
着信に応答するエージェントでは、発信者番号は手がかりであって証拠ではありません。認証として扱わないでください。番号が登録情報と一致するという理由で口座の詳細を伝えるエージェントは、番号を偽装した相手にだまされるおそれがあります。本人確認は別の情報で行います。
どの番号が表示されるかは、通信事業者と番号の設定が決めるもので、エージェントへの指示では決まりません。
例
失敗の例です(説明用)。ある代理店が、折り返しても誰も出ない番号から発信しています。受信者は見覚えのない番号を無視し、あとでネットで検索して苦情を見つけます。